懐かしいタラコ色の車両。JR岩徳線ゆったりローカル旅 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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懐かしいタラコ色の車両。JR岩徳線ゆったりローカル旅

風情や歴史を感じさせる列車旅

■のんびり旅スタート

 定時に列車は重々しくエンジン音とともに動き出す。すぐに右にカーブして複線電化の山陽本線と袂を分かつ。こちらは単線非電化、いかにもローカル線といった風情だ。のんびり6分程走ると最初の停車駅西岩国。国の登録有形文化財となっている木造駅舎が有名だ。途中下車しないので駅舎正面の円形のアーチや窓のつくりは見えなかったが、赤茶色の屋根の洒落た様子は車窓から垣間見ることができた。

西岩国駅に停車

 発車してしばらくすると錦川を渡る。少し上流に観光地としても名高い錦帯橋が架かっているはずだが、川が緩やかなにカーブして流れているので片鱗さえも見えなかった。

錦川を渡る

 次の川西駅は、第3セクターの錦川鉄道(かつての国鉄岩日線)との分岐駅である。といってもホーム1面で線路が1本だけの簡素な駅で、とてもジャンクションに見えない。それもそのはず、実際の分岐点は、この先、700m近くある道祖峠トンネルを抜けた山中にある森ヶ原信号場にあるからだ。

山中で錦川鉄道と分岐

 線路が二手に分かれているだけの信号場を通過し、列車は錦川の支流に沿って、谷間をのんびりと走っていく。3000m以上もある欽明路トンネルを抜け、小さな欽明路駅を経て玖珂(くが)に停車する。それなりの集落があり、少々乗り降りがあった。

 続いて、周防高森に停車。7分も止まるのでホームに降りてみる。平日の午後4時を過ぎていたので下校途中の高校生でごった返していた。ほかのローカル線同様、岩徳線のお得意様は高校生なのだ。

高校生で賑わう周防高森駅
 
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